TASTE STORYのインタビューでは、出店者さまへ商品にまつわる背景や思いなどお話を伺っていきます。地域のストーリーを、味わうように楽しんでいただけると嬉しいです。
vol.27は、松坂市で90年以上に渡り製麺所を営んでこられた「かいだ食品」。四代目を引き継いでいく渡邊さんは、伝統の中に進化を持たせて三重の食材を使った新たな伊勢うどんの商品作りに取り組まれています。今回は、かいだ食品の成り立ちや伊勢うどんへの想いをお伺いしました。
ーかいだ食品のはじまりについてお聞かせください。
創業者が化粧品か製麺会社を興こすか検討していたようで、当時伊勢参りに来る方が立ち寄る食堂が沢山あったので、そこへ麺を卸すようになったことが原点となります。
それからずっと麺作り一筋でやってきてまして、伊勢うどんは7割くらいを占め、その他に拉麺やそば、ぎょうざの皮なども作っています。
会社名のかいだは祖母の旧姓でして、女性の家系だったので、かいだの姓がなくならないようにということで会社名にしています。
ー商品作りでどんなことに注力されていらっしゃいますか?
伊勢うどんは基本的に、小麦と水と食塩の原材料と非常にシンプルな作りだからこそ、それぞれの素材にこだわって選んでいます。
小麦は県と協力し合って、伊勢うどんに適している”あやひかり”という品種を開発しています。
通常伊勢うどんは50分ほど茹でるので、普通の小麦だと溶けてしまうのですが、あやひかりはよりもちもちとした触感もあって美味しくいただけるんです。
水は、三重県の大台ケ原というところの宮川の天然水を使用しています。ここの水は日本一水質がきれいな川として度々選ばれているんです。
ー通常伊勢うどんは長時間茹でるとのことですが、TASTE LOCALで出品いただいている袋麺は茹で時間4~5分と一般的な袋麺と変わりなく調理できますが、何か工夫などされているのですか?
そもそも伊勢うどんは、伊勢神宮への参拝客の方に待たずにすぐにご提供できるよう、ずっと茹で続けているんですね。
私たちも50分ほど茹でて、それを真空パックにすることでお家では短時間で気軽に調理していただけるように作っています。
伊勢うどんは乾麺の加工には適しておらず、茹でた状態の麺を真空パックか冷凍としてのご提供になるんですね。
ーパッケージの統一感だったり、カレー伊勢うどんなどバリエーションにも富んだ商品構成をされていますね。
一昨年前くらいから百貨店で催事などさせていただくようになり、売り場に統一感を持たせたいと考えて、三重県はあおさの漁獲量が日本一なので、あおさをつゆだれに使ったり、催事のイートインでご提供しているカレー伊勢うどんをパッケージ化し、新たな伊勢うどんをご提供しています。以前からカレーが伊勢うどんの太い麺によく絡んで美味しいので、商品化してほしいと大変好評いただいていたので、実現した商品なんです。
現在伊勢うどんを生産している製麺所が13社ほどあるんですが、その中から足を止めて手に取ってかいだ食品を選んでいただくために、パッケージにはしずる感を表現できるような、ロゴデザインやイラストから美味しそうと思ってもらえるようなデザインを意識しています。
僕たちは松坂市拠点の会社でもあるので、伊勢でなければ卸さないといったこともあるので、伊勢にとらわれないようなパッケージ作りも大切にしています。
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伊勢参りと言えば、必ずいただく伊勢うどん。そのルーツは江戸時代前にも遡るそうです。
文:塚越 理英
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