TASTE STORY

「背伸びしないフランス料理を」茨城県笠間市 フランス料理 Tortue(トルテュ) (前編)

TASTE STORYのインタビューでは、出店者さまへ商品にまつわる背景や思いなどお話を伺っていきます。地域のストーリーを、味わうように楽しんでいただけると嬉しいです。

vol.24は、地元茨城や関東近郊の食材の魅力をフランス料理を通してご提供しているTortue。人生で笑っちゃうほど美味しいものに出会ったことはありますか?と料理に込める思いをお話しいただいたのは、オーナーシェフの中村さん。Tortueで大切にされていることや、中村さんの体験から料理に影響していることなどを伺いました。

 

 

 

ー中村さんのバックグラウンドについて教えてください。

私は茨城県日立市の出身でして、これまでフランス料理を中心にパティシエとしてケーキ作りを学んだり、フランス料理店や食肉市場で働いたこともあります。また厨房の清掃の業者で働いたこともあって、色々な業種を経験してきました。

元々実家の近くに職人さんの店が多くあったことや、食べることが好きだったので、自然と食の道に進んでいった感じですね。

 

 

ーTortue(トルテュ)とはフランス語で「亀」という意味だそうですが、どうしてこのワードを店名にされたのですか?

天狗にならずに一歩ずつ着実に歩んでいこうという想いを込めて、うさぎと亀に倣って、Tortue(トルテュ)と名付けました。

2012年6月に笠間市でTortueをスタートしました。立ち上げ当初は、茨城沿岸沖で獲れる地魚を使おうと考えていたのですが、東日本大震災の福島の原発事故の影響で、地産地消を謳える状況になくなってしまって。山も海も何もかも汚染されてしまったので、本当に辛く苦労した時期もありましたね。

現在は夫婦二人三脚でお店を運営しています。

 

 

ー素材選びや料理を思考される際に、どんなところからアイデアを得ていますか?

まず常に、背伸びしないフランス料理ということを意識しています。

フランス料理というと、海外から高い輸送費をかけて食材を空輸して、豪華な食材を散りばめた料理というイメージがあるんです。そういう道ではなく、地元の食材を取り入れていくことを私の料理の軸としています。

Tortueが拠点とする笠間市は、日本一の栗の名産地なので、栗づくしフルコースをご提供したり、こんな食材があるよと新しい情報をいただいたら山奥でも飛んでいくので、周りの皆さんからはテレビに出ているシェフと違って泥くさいよね、とよく言われます。

今の時期は、茨城ではのどぐろや伊勢エビが沢山水揚げされるんですよ。

 

 

ーTASTE LOCAL で出品いただいている「笑っちゃうほど美味しいモンブラン」は、とても印象的なネーミングですね。

これにはちゃんとしたストーリーがあるんですが、私自身、食べて美味しくて笑っちゃった経験がこれまで二回くらいしかないんですね。

昔から親しんでいる醤油や味噌味のものは、だいたいが想像の範囲内なんですよね。その予想を超えてくる味に出会うと、人って笑っちゃうと思うんです。

私はそういう想像を超えた、口に入れた途端何これ?と体験してもらえるような料理をご提供したいんです。

フランスのモンブランって、とても甘くて栗の香りはとうの昔にどこかへ飛んでいて、それをアルコールやバニラの糖分で補ったりしているんです。

モンブランを食べるときの香りに着目して、日本の和栗にしか出せない風味を出したいと思って表現しています。

実はパッケージもモンブランに触れないギリギリの大きさにしているんです。さらに大きくしてしまうと空気の入る量が増えて、香りが飛んでしまうんですよね。なので作ったらすぐに密閉した状態でお届けできるような作りにしています。

ぜひ洋栗では味わえない、和栗ならではの香りに注目して食べていただきたいですね。

 

 

後編へ続く。

***

TortueのFacebookでは、中村さんの哲学や、様々なご経験を通しての食材の学びを発信されています。これが奥深くてとても読み応えあります。

文:塚越 理英

TASTE LOCALで、Tortueのごちそうを購入することができます。 おうちでこだわりの逸品を味わってみませんか?

 

笑っちゃうほど美味しいモンブラン4個入り

笠間の和栗をそのまま贅沢に味わえるモンブラン。

¥3,456 (税込)

購入はこちら。

https://tastelocal.jp/products/f0821078p10780107

 


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