TASTE STORYのインタビューでは、出店者さまへ商品にまつわる背景や思いなどお話を伺っていきます。地域のストーリーを、味わうように楽しんでいただけると嬉しいです。
vol.21は、熱海の網代港から仕入れた新鮮で旬な魚を、先代から受け継いだ昔ながらの製法を守り、干物を作り続けている小澤商店。天候にも左右され、決して大量には作れないものだが、自信を持って良いものを作っているからこそ、その苦労も経験もすべてが小澤商店を支えています。
今回は、二代目の小澤紳一郎さんに商品作りについての背景やこれからの取り組みなどについてお伺いしています。
ー小澤商店のはじまりについてお聞かせください。
1955年に父が水産加工業をはじめて、網代で干物屋の店舗を構えて約60年になります。
近くの網代漁港から毎日仕入れた全国各地の旬の魚を、昔ながらの製法である天日干しで干物を作り続けています。 うちは酸化防止剤や着色料なども一切使わず、素材そのままの旨味を味わっていただけるように、魚の仕入れからこだわって作っています。
ー昔ながらの製法で天日干しされた干物は、どのようにして作られていますか?
時期によって干す時間も変わるんですが、夏は太陽光が強すぎて、そのまま当ててしまうと魚が焼けてしまうんですよね。なので、太陽とは逆に向けて1時間ほど干したら、風を当てて仕上げています。
天日干しにベストな時期は秋ですね。風があって気温も程良いので最適です。天日干しには風があるかがとても重要で、曇っていても風があれば良い状態の干物を作ることができます。とても天候に変動されやすいので、経験値が必要とされてきますね。
ーなぜ天候に左右されやすい天日干し製法を続けられているのですか?
天日干しの方が健康にも良いといわれていまして、実は機械乾燥より日持ちもするんですよ。
昔は干物は保存食とされていたようで、もっと硬く干して傷まないように保存していたそうです。そういった背景もあって、昔ながらの製法を変えずに続けています。
後編へ続く。
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朝は必ず鯵の干物などを焼いて食べます。国産の魚が入手しずらくなってきた中で、旬のものを安心していただけることが、何よりの贅沢ですね。
文:塚越 理英
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