TASTE STORY

【インタビューvol. 4】兵庫県香美町小代 民宿「松田屋」

【インタビューvol. 4】兵庫県香美町小代 民宿「松田屋」

TASTE STORYでは、出店者さまや商品にまつわる歴史や思いなどをインタビューしていきます。地域のストーリーを、味わうように楽しんでいただけると嬉しいです。 第四回目は、但馬牛の原産地として知られる小代。ここでスキー客を迎えてきた民宿「松田屋」を、三代目として引き継いだオーナーの松田さん。これまでの飲食業界での経験や、旅や本から得てきたインスピレーションをもとに、新たな宿の形を作られています。 そんな松田さんに、松田屋の魅力やどんな民宿にしていきたいかなどをお伺いしました。     ***    ー松田屋のはじまりをお聞かせください。 松田屋のすぐ近くにおじろスキー場があるのですが、そのスキー場の開発がはじまった頃に、僕の祖母がスキー客に向けて宿をはじめたのがきっかけになります。 当時はスキーブームの全盛期で、祖父も農家をしながら、スキーのレンタルショップの運営やスキー場を経営する合間に、宿を手伝っていました。 それから母が民宿を引き継いでいましたが、8年前に僕がUターンをして三代目になります。     ーいずれ民宿を継ぐことは意識されていたんですか。 小さい頃からなんとなく継ぐのかなとは思っていました。全然覚えていなかったのですが、以前帰省した時に、小学校の卒業アルバムの将来の夢に、「民宿を継ぐこと」って書いているのを見つけました。 両親は好きなことをやっていいよと、ずっと言ってくれていて、漠然と何がやりたいかははっきり決めていませんでした。 今より選択肢が多い時代ではなかったと思うので、具体的な職業のイメージがつきづらくて。 ただ本を読むことが好きだったので、なんとなく先生になろうかなと思って、京都の大学へ進学しました。     ー大学時代にバーでアルバイトをはじめた理由が意外ですね。 当時ものすごい人見知りだったので、それを直そうと思って大学時代の4年間、京都のショットバーでアルバイトをしていました。 普通の居酒屋だと、お客様とのコミュニケーションがお料理を運んで終わりというイメージがあったので、そうではなくて否が応でもお客様とコミュニケーションを取らないといけないようなバーであれば、多少は免疫がつくのかなと思って。 最初は全然ダメだったんですが、お客様と話すのが上手くなくても、お酒の知識や技術を身につけて、色々な知見を広げて武器を持てると、それをもとにコミュニケーションを取れるということに気づいたんです。 少しずつ自信もついてきてからは、相手の方の話を聞ける余裕を持つことができるようになってきたんです。 それからは、飲食に携わることが楽しいと思えるようになりましたね。     ーショットバーでの経験を経て、大学卒業後も飲食業界へ進まれたんですか? 実は大学卒業後は、飲食ではなく広告業界へ就職しました。飲食は好きだったんですが、大学を出てまで入る業界なのかと思うところもあって。 でも広告業界に興味がすごくあったわけではなかったので、違和感を感じて。 それでやっぱり飲食業界で働きたいなあと思って、半年で会社を辞めて、大阪で飲食店をプロデュースしている会社へ転職しました。  そこで9年ほどカフェや和食店舗など、色々な業態の店舗マネージメントに携わっていました。 そんな時に急遽両親から帰ってきて民宿を継いでほしいと連絡があって、それからUターンを決めました。     ー松田さんが民宿を継いでから、バーを作ったり様々な取り組みをされていますね。 職業柄よく旅行に行っていたんですが、旅館やホテルでの滞在時間って結構長いのに、お風呂やご飯を食べる時間以外は、すごく退屈だなと思ったんです。宿のサービスの時間が、ここに集約され過ぎていているとなあと気づいて。 僕は旅先では宿の雰囲気に浸りたいなと思って、携帯もテレビも見ないようにしています。  そうすると過ごし方の提案の工夫が必要だと、改めて感じたんですね。 うちは民宿という形態で、温泉も掘ったけど出なかったし、客室やトイレ・お風呂も共有で、何で差別化できるかを考えたんです。それで1階の倉庫だったスペースを利用して、宿の顔を変えるためにバーを作りました。外観は敢えて古い民宿のままにしているので、中に入ったときのバーの顔を見せて、お客様にギャップを感じてもらえたらいいなと。 今あるものをうまく利用してギャップの振り幅を作ることで、お客様にワクワクする体験をしていただけると思うんです。 もともとデザインやインテリア、服が好きなことや、自分がこれまで滞在してきた宿での体験がインスピレーションになっていますね。     ーバーを作ることで、宿でどんな役割となっていると思いますか? 宿ってお客様と接する時間をどう作るかが意外と難しいです。チェックインや食事以外の時も踏み込んだ方が、印象に残る時間になるとも思うんですが、お客様によっては善しとしない方もいると思うんです。そこを空気を読みながらやっていくべきだとも思うんですが、ヒューマンスキルが求められますよね。 バーを作ることで来たい人はくるし、来たくない人はこないので、そこでこちらがどこまで踏み込んでいいかの判断ができるんです。 来た方はコミュニケーションを取ってもいいよのサインをいただいたと思って、もう一歩踏み込んだお話しが出来ますし、来なかった方はお部屋でゆっくりされたいんだなと捉えて、お客様との距離の取り方をある程度測ることができるんです。 必要な方に必要なだけのコミュニケーションを届けられる場になってくれたらと思います。     ー民宿でご提供されている但馬牛の魅力はどんなところですか? 民宿のある兵庫県香美町の小代という地区は、但馬牛の原産地なんです。 日本の黒毛和牛の99.9%が、小代で生まれた一頭の但馬牛の血を引いていると証明されているんです。松坂牛も飛騨牛も近江牛も、日本の黒毛和牛の祖先を辿っていくと小代で生まれた一頭の田尻号に行き着くんですね。松坂牛の一番上のグレードの特産松坂牛は、但馬牛の子牛から育った牛でないと認定されないんです。それくらい血統が良いんです。 最近ようやく和牛好きの方には知られるようになったのですが、一般的にはまだまだ知名度は低いんです。 民宿では、兵庫県内でトップクラスの上田畜産さんで育った但馬玄をご提供しています。 上田畜産さんでは、基準を満たして神戸牛という名を付けていいとされる牛も、但馬牛の名を残していくために、但馬玄という商標を取っているんです。 歴史もあって血統・品質・味も素晴らしい但馬牛をもっと知ってもらい、正しく評価していただけるように、上田畜産さんとともに但馬牛をきちんと伝えていきたいと思っています。 但馬牛を沢山の方に知ってもらうことで、小代の地域全体の価値も上げていくことができると思うんですよね。     ーTASTE LOCALを通して伝えたいメッセージはありますか? 緊急事態宣言で休業要請になった時、予約がすべてキャンセルになってしまいました。それでなにかできないかと思って、もともと作っていた牛すじコロッケをオンラインで販売することにしました。 予想をはるかに上回る反響があって、買ってくださった方に沢山メッセージをいただいて、本当に嬉しかったですね。 商品が売れるということももちろんですが、うちの商品を楽しみにしてくださる方がこんなに沢山いらっしゃって、必要とされていることに気づけたことで、まだやれることはあるなと感じました。 買っていただいた方々には、心から感謝の気持ちをお伝えしたいですし、もし宿へ来て頂いたら期待を裏切らないよう、全力でおもてなしをさせていただきます。   ***   インタビューを通して、松田さんのこれまで蓄積してきた知識や体験が、民宿に新たな変化を与え、色々な表情を作っていらっしゃるのを感じました。いつか是非バーにもお伺いしたいです。   TASTE LOCALで、民宿「松田屋」さんのごちそうを購入することができます。 おうちでこだわりのお料理を味わってみませんか?   ◾️ 特選但馬牛『但馬玄 (たじまぐろ)の牛すじコロッケ』10個入 最高品質の黒毛和牛の但馬玄を味わえる牛すじコロッケ。 価格¥2,000 (税込) 購入はこちらから。 https://tastelocal.jp/collections/ranking/products/f2811000p10000105    

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【季節のおすすめ便り】vol.4:ごはんと湯気と、ときどきお供と

【季節のおすすめ便り】vol.4:ごはんと湯気と、ときどきお供と

今年も来ました、新米の時期が。そして、美味しい新米をより美味しくしてくれるのが、ごはんのお供。あなたはどんなお供と、新米を食しますか。今回はTASTE LOCALで楽しむことができる、ごはんのお供を紹介します。  

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【新商品】11月3週目の新しいごちそう。

【新商品】11月3週目の新しいごちそう。

今週は新しく入荷したスイーツをご紹介します。また新商品と合わせて、今週末土曜日に開催される朝市限定の商品情報もお届けしますね。

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【インタビュー】vol.3:沖縄県宮古島市の「Restaurant État d'esprit」

【インタビュー】vol.3:沖縄県宮古島市の「Restaurant État d'esprit」

TASTE LOCALでは、出店者さまや商品にまつわるストーリーをインタビューしていきます。第三回目は、宮古島の紺碧ザ・ヴィラオールスイートにあるRestaurant État d'esprit (レストラン エタデスプリ)でシェフを務める渡真利さんに、どんなところからインスピレーションを受けているかや、料理を通しての思いなどを伺いました。

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